このワークショップに参加できる人は本当にラッキーだと思う。

たったの3日間で人生が変わる。いや、違う。人生を創り出す術を手に入れて、これから自在に人生を変えていくことができるようになる。

3日間で全く新しいスキルを会得できるというわけではない。全く新しいスキルの場合、習得するのにもっと時間がかかる。

ましてやその新しいスキルが、これまで学んできた方法と真っ向から対立する場合は、古いスキルを捨て去るための努力と時間が必要になる。これは誰にでもできることではない。

しかし体得してしまえばこれほど楽なものはない。「いったい今まで自分は何をやってきたのか」と愕然とするほど創造プロセスはシンプルで、構造思考はパワフルなのだ。

創造プロセスはシンプルすぎて、多くの人が「なんだ、そんなことか」「それなら知ってる」「もうやってる」と勘違いするほどだ。

実際に知ってる人ややってる人はほんの一握りに過ぎない。しかも知ってる・やってるのは自分の得意領域に限定されていて、人生全般に展開できる人は極めて稀だ。ところがロバートの方法を習ったら、誰にでもできる。ほんの少しのオリエンテーション(姿勢)の転換が必要なのだ。

これは特にビジネスの領域において劇的だ。なぜかというと、ビジネスの領域では「問題解決」「問題発見」「問題分析」という名前の問題中心アプローチが幅を効かせているからだ。解決中心アプローチは問題中心アプローチよりも格段に上だが、それでも「解決」が「問題」を暗示している点で創造アプローチとは異なる。

創造アプローチとは何か。それは問題解決や問題分析とは全く異なる、アーティストの方法だ。本物のクリエイターは自分のプロフェッショナル領域において例外なく創造アプローチを実践している。

アスリートも同じだ。一流のスポーツ選手はただ単に技能に優れているだけではない。プレイによって特定の結果を創り出すことに長けているのだ。

サッカーの試合を見ていれば素人でもわかるように、サッカーのプレイは失敗の連続だ。なぜ失敗するかといえば、ボールを扱うのが難しい上に、相手チームがとことん妨害してくるからだ。あるいは相手を妨害しようとして、それに失敗して相手に得点されてしまう。競技の構造上から必ず失敗するようにできている。

なぜそれが面白いのか。

もちろん失敗するようにできている構造の中で技と力を駆使して成果を上げるからなのだが、何度失敗しても選手の頭の中には成功のイメージがある。90分の試合の間中ずっと成功のイメージがある。それを毎秒ごとに実現しようとしてずっと動いている。それが面白い。見ている人にもそれが伝わる。単に見事なプレイに感嘆するばかりではなく、失敗しても次は成功すると思ってプレイしている様子が面白い。

このことは2年前にサッカーを始めたことで初めて理解できた。それまでは見事なプレイに目を奪われることが中心だったのだ。

サッカーと違って、自分の仕事はほとんどがうまくいく。もちろん小さな失敗は数え切れないほどあるが、それはほとんど見えない。つまり見えないほどの失敗を重ねながら失敗から学び、最終的に必ず成功するようにマネージしていく。

この落差も面白い。どちらも面白い。サッカーは失敗の連続の中で成功のビジョンを描き続けて時折うまくいくのが面白いし、仕事は成功の連続の中で計算したリスクをとり、ときに思いがけない大きな成果を上げ、祝福して次のビジョンを描く。

1992年にロバート・フリッツの著作を発見し、2002年にバーモント州まで出かけてロバート本人に会い、その時に「ロバートを日本に呼びたい」と思ってから十数年越しでロバート・フリッツ夫妻を日本に呼ぶことに成功し、そして今年はコロナのおかげでオンライン開催となり、オンライン開催のおかげで驚くほどの低コストでコースを提供できることになり、去年も大好評だったChoicesという特異なワークショップの代わりに全く新しいYour Life as Artという本のタイトルと同じタイトルをつけたオンラインワークショップが生まれることになった。受講費は3日間でたったの72600円。3日間を通してロバート・フリッツ本人があらゆる疑問に応えてくれて、自由で創造的な人生の極意を伝授してくれる。

2018年にロバートとロザリンドを長野の女神山に呼べたときは本当に夢心地だったが、今年は今年でまた新しい世界の創造を目の前にしてワクワクしている。