「不満があるから上を目指すんだろう」

二十代の頃の職場の上司がそう言っていたのを思い出すことがあります。現状に満足していないからもっと高みを目指すのだ、と言うのです。不満や不安があるからこそ向上するのだ、と言うのです。

気持ちはわかります。でも満足しているかどうかと向上しようとするかどうかは別々のことです。

ここに4つの可能性があります。

1. 現状に満足していなくて高みを目指す
2. 現状に満足していなくて高みを目指さない
3. 現状に満足していて高みを目指す
4. 現状に満足していて高みを目指さない

1が必然だと言う人たちは、現状に満足してしまうと4に陥ると思っているようです。

私はたいてい3です。完全に満足しています。しかしもっと面白いことやもっと新しいことや豊かなことを目指しています。(ちなみに2の状況もあります。不満があってもほったらかす状況です。)

必ずしも不満や不安が原動力になるわけではないのです。不満や不安を原動力にしている人たちは、つまり状況対応しているのです。現状では嫌だから上を目指すというわけです。

現状の満足や不満足と関係なく活動する人たちは、創造のための仕事をしています。今が嫌だから創り出すのではありません。創り出したいから創り出しているのです。現状に満足しているか不満足かは関係ないのです。