私が初めてデジタル思考に触れたのは20年近く前で、ロバート・フリッツがこのメソッドを考案して間もない頃でした。そのときはまるで魔法を見せられたかのようで、すぐには習得できませんでした。

そして2018年にロバートが初来日して日本でデジタル思考を教えてくれたとき、その鋭さと明快さ、簡潔さと単純さに舌を巻くと同時に、教わって学べる体系化が行われていることにも驚きました。

経営コンサルティング会社に大枚を叩いて何ヶ月も調査した結果を、ロバートが目の前でたちまち鮮やかに分析してしまう。企業が何年も決めあぐねていた投資案件を、ほんの数十分の分析で異論の余地なく決定してしまう。ああでもない、こうでもない、と悩み続けたことを、ほんの数分で整理して決めてしまう。

知らない人はロバートが物凄く頭のいい人だと思うことがあります。そして、それに比べて自分のことを頭の悪い人間だと思ったりします。

ロバートは言います。

「頭の良し悪しじゃない。君はアナログに考えていただけ。僕はデジタルに考えてるだけ。考え方の違いなんだよ」

デジタル思考は学ぶことができます。学んですぐに使い始めることができます。デジタルに考えることによって、それまで曖昧に漠然と考えていたことや、無用に複雑な情報処理をしていたことをブレイクスルーして、自分が創り出したい結果を作り出すための分析や決断をすることが可能になるのです。

デジタル思考にはいくつかのアプリケーションがあります。意思決定(デジタルデシジョンメイキング)、業績評価(デジタルパフォーマンスレビュー)、事業分析(デジタルビジネスアナリシス)が3つの代表的な応用です。

デジタル思考は、仕事に、生活に、人生に、ビジネスに、人間関係に、生涯学習に、応用することができます。頭のエネルギーを効果的に、効率的に、創造的に使うことができるようになります。