2020年と2021年は、謎の筋肉痛に悩まされ続けました。

コロナ禍の影響でほとんどの仕事がオンライン化、リモート化し、便利になる一方で、歩く時間が減り、座っている時間が圧倒的に増えました。一方、私は日頃から武術やスポーツなどで体を動かしている時間が長かったため、テレワークになっても運動不足とは無縁だと思っていました。

ところが突然ある時から脚の筋肉に異常をきたすようになったのです。

整体、カイロプラクティック、ロルフィング、スポーツマッサージ、初動負荷トレーニングなど、手当たり次第にいろいろな対処を試し、それぞれ一時的にはとても効果があるのですが、なかなか治りません。

健康や体調に関連する本を書店や図書館で手に入れ、これもまた片っ端から読み漁り、自分の知識を刷新しながらあれこれ試していました。どれも素晴らしい知恵や知識の連続で、試した分だけ優れた効果を実感するのですが、なかなか不調が消えません。

しかし2年の試行錯誤を経て徐々に症状は和らぎ、そして回復のプロセスで体の動かし方や毎日の暮らし方について新しい知見を得ることになりました。

私にとって特に大きいのはヨガの方法です。

ヨガは今から40年前に書物で知り、三島のヨガ道場に泊まりがけで習いに行って以来、私にとって馴染みの、とても歴史の古い方法です。

しかし長い歳月が経ち、ヨガを「もう知っている」と思い込んでいたことから、今回のような不調におけるヨガのパワーを見落としていたのです。

最近またひょんなことからヨガの力を再発見し、毎朝、毎昼、毎晩ヨガの時間をとっています。

そもそもヨガは不調への対処法などではありません。健康法でもなければ美容法でもありません。現世の軛から自分の肉体と精神を解放し、真の自由を手に入れるための修行方法です。

ただ単に体の不調から回復するのみならず、心身のさらなる自由を手に入れる・・・私が40年前に発見したヨガのエッセンスを、40年経った今になって再発掘しているところです。

ヨガはいつでもどこでも一人でもできます。仲間がいて、先生がいたらさらに心強い。どんな流派かなどと気にせず、現在の自分が実践できるところからスタートし、途方もない領域にまで達することができます。

そう考えると、コロナ禍の影響で一時的に不調に陥ったこと自体が、素晴らしいチャンスであったとしか思えなくなります。

怪我や病気、心身の不調を奇貨として、健康や好調、愉快な暮らしを手に入れることができます。不運や不幸を材料にして、幸福や好運を呼び込むこともできるのです。