いよいよスタートします。小中高生向けのディベート講座、いや、ディベート道場です。

ディベート道場は2012年に始まりました。大学の学科の先輩であり、ディベートを教えてくれた先達の一人でもあった苫米地英人さんに頼まれて社会人向けのディベートセミナーを手伝ったのがきっかけで、「単発のセミナーで学ぶにはディベートは巨大すぎる。継続的に学ぶ場を創ってほしい」と参加者の一人に頼まれ、毎月1ー2回集合してディベートの稽古をするディベート道場を始めたのです。

ディベート道場は今年で10年目です。

そしてこの期間には16歳から60歳までの老若男女が集い、年齢も性別も職業も学歴も一切不問で、知的好奇心と「ディベートを学びたい」という向学心だけを条件に一緒に学んできました。

私自身がディベート活動に熱中していたのは今から40年近く前のことです。その当時は教育ディベートの理論と実践に革命的な変化が起こっていた時代でした。かつては学校の教室のスピーチ大会のような趣の活動だったのが、数年の間にずっと本格的な合理的意思決定のゲームへと変貌したのです。

私はたまたまその過渡期に出くわしたので、牧歌的な雰囲気の伝統的なディベートと、激しいフットボールのようなスピード競技と化したディベートとのコントラストを、血湧き肉躍る思いで見ていました。もちろん見ていただけでなく、自分自身がいろいろなスタイルの試合をし、勝ったり負けたりを繰り返しながら20代を過ごしました。

しかし、ディベート道場はまた別の経験でした。

今まで全くディベートを学んだことのない社会人が集まって、一からディベートを学び、その多くが対外試合に参加し、去年・一昨年は代表チームが地区大会で優勝、全国大会で準優勝までしたのです。

ディベートはスポーツ競技なので、必死で勝負を競います。しかしディベートをする目的は勝敗ではありません。ディベートという知的ゲームを通じて頭脳をアップデートし、意思決定力を高め、自分と立場や価値観を異にする相手とコミュニケーションを図ることです。

ディベート道場 for kids は、これまで大人中心だった道場に、子供中心の学びの場を創り出す新しい試みです。すでに小学生・中学生・高校生の生徒児童が集まっています。

ディベート道場 for kids では、伝える・考える・聞いて理解する・決める、といったディベートの基礎スキルの鍛錬からスタートし、いずれは大人顔負けのディベートができることを目指します。

ディベート道場 for kids は新しい学びの場です。社会のことに興味を持ち、どんな相手とも物怖じせずに会話でき、難しい問題でも自分の頭で考え、いつも謙虚に学び、自信を持って決断できる、そんなディベーターを育成します。