Objective Coaching Masterclass

2021年4月オブジェクティブコーチングマスタークラスを開講します。

これはコーチングを学んでマスターしたいプロフェッショナル志向の皆さんへの招待です。

マスタークラスとは

ビジネスや組織の世界にコーチングという技法が広く活用されるようになってまだ25年くらいしか経っていません。もともとスポーツや芸術の世界に起源を持ち、企業における人材育成の手段として利用されるコーチングは、守秘義務の壁も手伝って実態があまり知られていません。

ビジネスに限らず、世間の多くの人たちがコーチングに関心を持ち、学校や教室で学び始める人も急増しています。一方で、せっかく勉強したコーチングの技術を使いこなせない人が多いのも事実です。

マスタークラスでは、過去二十数年にわたって実際にリーダー育成の現場で間断なくコーチングによる支援をし続けてきたプロフェッショナルの方法を惜しみなく伝授します。

コーチングの経験者だけでなく、前提知識を全く持ち合わせていない人もマスタークラスでは歓迎しています。コーチングの基礎理論から実際の応用までを幅広くカバーします。また、少人数のマスタークラスに参加する人は、実際にプロのコーチングを受けるチャンスを得られます。さらに、マスタークラス受講期間に自分がコーチとしてクライアントと契約し、報酬を受け取ってコーチングを実践する機会も得られます。

マスタークラスは単なる勉強の場ではありません。理論を学習するだけでなく、学んだことを実践し、成果を上げ、自分ならではのスタイルを発見し、現実の仕事や生活に応用していきます。

毎回のクラスの終了時に簡単なアサインメントが課せられます。マスタークラスに参加する人は仕事や生活に多忙な人が多く、コーチングの学習にかけられる時間は限定されています。クラスとクラスの合間の限られた時間で取り組むアサインメントは、非常にシンプルなものからクリエイティブなものまで、全て学習内容を体得するための工夫が凝らされたデザインになっています。マスタークラスでは、

・コーチングはコミュニケーションの技法ではない
・プロフェッショナルコーチングの3つの成功原則
・なぜコーチングが必要なのか。そしてコーチングが何を可能にするのか
・創造的なビジネスとしてのコーチング
・コーチングをあらゆる日常に活かす方法

などをステップバイステップで学習します。そして一人ひとりの受講者が自分の目標と価値観に応じてスキル練習、マインドの醸成、現実への実践ができるようにガイドしていきます。

オブジェクティブコーチングとは何か

企業経営や組織運営、チームマネジメントやプロジェクトマネジメントの現場で行われるプロフェッショナルコーチングは、セラピーやカウンセリングのようなセッションとは全く異なります。常に客観的な現実の中にいて、具体的な成果や成長が求められます。

オブジェクティブコーチングの目的は癒しや治療ではありません。コーチングの目的は自己発見・自己認知に基づいたリーダーシップの発揮・発展です。そのためには対話と思考をベースにした試行錯誤と現実認識が必要です。

オブジェクティブコーチングはその名の通り、コンサルティングやトレーニングとも異なります。コンサルティングはクライアント(依頼主)の相談に応じ、必要な助言や助力を行うものです。トレーニングは生徒の学習目的に応じた教育訓練を提供するものです。コーチングは、クライアントが自ら考え、自ら決定し、自ら行動し、自ら成果を上げ、自ら学ぶことをリードし、ガイドし、後押しし、促進するものです。

コーチングにはあらかじめ決められたカリキュラムがありません。全てクライアントの現実と価値観、状況と目的からスタートします。コーチングは問題解決でもありません。問題をいくら解決しても、クライアントが創り出したい成果を挙げられるとは限らないのです。

オブジェクティブコーチングでは、クライアントの志と価値観に基づいて成長や成果を推進するチャンスを提供します。そのプロセスでオブジェクティブコーチングのクライアントは、自分の仕事や人生の舵取りを可能にする地図とコンパスを手に入れることになります。

オブジェクティブコーチングは、企業や組織や個人の要請に応じて20年以上にわたって成果を上げ続けています。過去、エグゼクティブコーチングを語る会、エグゼクティブコーチング上級講座、オブジェクティブコーチング道場などでもオブジェクティブコーチングの方法を公開しています。マスタークラスではその全体像が体系的に共有されるだけでなく、意欲のある人なら誰でもその方法を体得し、実践で活用することができるようになっています。

対象

マスタークラスは、コーチングを学習して実践したい人が対象です。

これまでの経験や知識は問いません。コーチングについて全くの初心者でも経験者でもベテランでも区別なく歓迎します。プロフェッショナルコーチになりたい、プロフェッショナルのスキルを使って自分と世界を変えたい、という人はぜひ参加してください。

・プロフェッショナルコーチやコーチ志望者
・これから独立しようとしている人
・コーチングを仕事にしたい人
・これまでのコーチング経験の行き詰まりを打破したい人
・エグゼクティブコーチングのスキルを高めたい人
・企業経営者・企業組織のマネージャー
・経営コンサルタント・ファシリテーター
・学校の先生
・家庭の親

など、あらゆるスキル・経験レベルの受講者を歓迎します。

期待できる成果

自分の人生や職業キャリアから立て直したいと思う方なら、オブジェクティブコーチングを学んで実践することがまず自分の役に立ちます。

また、基本的な物の考え方をアップデートし、状況対応や問題解決ではなく、成果創造や主体的変革を行うスキルやマインドを身につけることができます。

コーチングはビジネスです。独立してビジネスを発展させたい、レパートリーのひとつとしてコーチングを使いたいという意図で受講し、成果を上げることもできます。

会社組織の中で、部下の指導、後進の育成、組織の発展のためにコーチングの手法や考え方を活かすこともできます。

ビジネスとは富の創造、価値の創造です。組織の中でマネジメントをしていても、独立してプロフェッショナルサービスを提供していても、コーチは富を生み出し、価値を生み出す手助けをしています。経済的・財政的成功は望ましいものですが、富は金銭に限られません。精神的・人間的な豊かさこそがコーチングの本質的効果です。心の富(インナーウェルス)が豊かになれば、物質的な富(アウターウェルス)の創出を支えることになります。

コーチングはビジネス以上の創造行為です。仕事に行き詰まったとき、人生に挫折したとき、それを克服すべきピンチとしてだけでなく、成長や成熟や発展のチャンスにも転換することができます。そのためのナビゲーション装置を開発し、導入することができるのがオブジェクティブコーチングの方法です。

コーチングを学ぶことによって、ただ単に気づきや洞察に恵まれるだけでなく、洞察や発見を具体的な意思決定に反映する方法も身につきます。無駄な迷いや悩みが吹き飛び、必要な熟慮や熟考に時間をかけ、効果的で効率的な行動や運動が容易になります。

さらに、オブジェクティブコーチングの大きな成果のひとつは、リーダーシップの実践です。自分自身の人生の地図とコンパスを手に入れたら、それを自分のために活用することはもちろん、まわりの人や組織や社会のために活かすことができます。それはすなわちリーダーシップの発揮となります。

コースのデザイン

セルフコーチング、ライフコーチング、エグゼクティブコーチングの3つのモジュールから成っています。

モジュール1: セルフコーチング(4月〜6月)
誰かをコーチングする前に自分自身のコーチングができるようになっている必要があります。そうでなければ盲人が盲人を導く過ちになりかねません。

セルフコーチングでは、「どうやってコーチングの会話をするか」「どうやったら効果的なコミュニケーションができるか」という課題は取り扱いません(それはモジュール2・3です)。

「自分は仕事や人生で何を望んでいるのか」「自分の現実生活では何が起きているのか」「自分はこれからどういう価値観や目標を持って生きていくのか」という仕事や人生の根本にアプローチしていきます。

セルフコーチングの目的は、自己理解と自己変容です。自分の思考プロセスや行動パターン、得意なことや苦手なこと、やってきたことややりたいことを知り、人生の羅針盤と地図を手に入れることです。これができれば結果としてプロフェッショナルとしての自己管理も向上し、無用な迷いや悩みがなくなり、自負や自信をもってコーチングにアプローチすることができるようになります。

セルフコーチングのモジュールでは、集合ワークショップの演習に加えて、各自で取り組む課題が与えられます。自分のペースで自分の目的と状況に応じて具体的に学ぶことができます。学んだことはコーチング以外でも一生あらゆる人生の局面で活かしていくことができます。

モジュール2: ライフコーチング(7月〜9月)
誰かをコーチングするためには、契約に基づいた信頼関係が必須条件です(明確な契約なしに進めるユビキタスコーチングはその応用です)。クライアントは何を求めているのでしょうか。コーチであるあなたは基本的にクライアントの考えや感情を理解していないし、クライアントの人生についても無知です。自分が知らないというところから出発し、常に自分の無知にアクセスできることがプロフェッショナルコーチングの絶対条件です。

ライフコーチングのトレーニングでは、他人の話を客観的に理解する訓練を積みます。これは訓練次第で誰にでもできるようになりますが、訓練なしに身につくことはありません。「私は聞き上手で、トレーニングしなくても最初から他人の話をよく聞いている」という人は最も用心が必要です。もうわかっている、もう知っている、相手を理解していると思っているコーチにはクライアントの話を正確に聞くことができません。

ライフコーチングをどうやって始めるのか、どうやって続けるのか、どうやって終えるのかというコーチングプロセスの基礎と応用を学び、実際のクライアントを相手に実践できるレベルを目指します。また、プロフェッショナルコーチングに必要な契約と報酬の合意についても基本的な理解を目指します。

モジュール3: エグゼクティブコーチング(11月〜1月)
ライフコーチングがクライアント個人の生活や仕事や人生を扱うのに対し、エグゼクティブコーチングは組織のリーダーやマネジャーの指導力・リーダーシップ・マネジメントの向上を目指します。したがって、エグゼクティブにおいては組織特有の複雑さや面白さに触れ、クライアントの人間関係や信頼関係を観察し、目に見える向上や目に見えない根底の変化を目指します。

また、エグゼクティブコーチングではコーチングを受けるクライアントとコーチングプログラムのスポンサー・責任者が別々であることが多く、法人契約特有の複雑さを知っておく必要があります。

エグゼクティブコーチングは、個人のスキルやマインドだけでなく、チーム開発・組織開発・人材育成・後進育成など、企業などの組織全体の発展につながり、コーチングの効果が最も大きくレバレッジされる領域でもあります。モジュール3のトレーニングでは、実際の企業のケースも紹介し、その大いなる可能性やリスクについても見ていきます。

マスタークラスでは、3つのモジュール全てを体系的に学んでいきます。セルフコーチングからライフコーチングへ、ライフコーチングからエグゼクティブコーチングへと段階を高めていきます。セルフコーチングができない人にはライフコーチングをしてほしくないし、ライフコーチングができなければエグゼクティブコーチングを行う資格はありません。各モジュールにはそれぞれの学習目標がありますが、カリキュラムをこなすことが目的ではなく、受講する人の目的と状況に合わせて創造性を引き出し、コーチング力を開発していきます。

クラスで解説した内容は録画して共有されます。万が一クラスに出席できなかった場合も後日視聴して学習することが可能です。

<参考図書および副読本>

セルフコーチング

自意識と創り出す思考(ロバート・フリッツ)

人生をマスターする方法(田村 洋一)

Your Life As Art (ロバート・フリッツ)2020年7月刊行予定

ライフコーチング

プロフェッショナルの条件(P・F・ドラッカー)

ケアの本質(ミルトン・メイヤロフ)

プロセスコンサルテーション(エドガー・シャイン)

エグゼクティブコーチング

偉大な組織の最小抵抗経路(ロバート・フリッツ)

組織の「当たり前」を変える(田村 洋一)

不確実な世界を確実に生きる(コグニティブエッジ 田村 洋一)

知識を価値に変える技(田村 洋一)

開催概要

  • 期 間:全18回(2021年4月-2022年1月)毎月2回 。 10月は公式トレーニングセッションはありません。
  • 日 時:第2・第3水曜の19:50〜21:20(各回90分)。他に随時ボーナスセッション。(希望する人は、自分のコーチングのスーパービジョンを個別に受けることができます。)

  セルフコーチング : 4/14、 4/21、5/12、5/19、6/9、6/16

  ライフコーチング: 7/14、7/21、8/11、8/18、9/8、9/15

  エグゼクティブコーチング:11/10、11/17、12/8、12/15、1/12、1/19

  • 場 所:zoomで開催します。受講する皆さんの希望に応じて追加のボーナスセッションを随時開催します。
  • 1年間の受講料: 33万円(クレジットカード払い可能。振込の場合はディスカウントがあります)
  • 教 材:テーマごとのテキストを配布し、録画したクラスのビデオを後日共有します。
  • 定 員: 12名
  • 修了証:3つのモジュールを全て受講し、レポートを提出した人にはコース修了証を発行します。