来月から3ヶ月間、ピクチャリング速習講座を開催します。ピクチャリング初体験の人も、さらにブラッシュアップしたい人も、速習講座で一緒に学びましょう。

この講座はピクチャリングという非常に有効なスキルを短期間で習得するための速習講座です。

ピクチャリングは誰でも学ぶことができます。しかし訓練なしに身につけることはできません。

たいていの人は教わらなくても自然にピクチャリングしていることがあります。例えば小説を読む人は活字を読みながら頭の中に映像を描いています。これは一種のピクチャリングです。オーディオブックで朗読を聴きながら心の中に映像を描いています。これもピクチャリングです。ラジオのニュースを聴きながら映像を描いています。誰かと会話しながら人の顔、表情、動き、展開を視覚的に思い描いています。これらは皆、ある種のピクチャリングです。

ではピクチャリングはありふれた技術なのでしょうか。誰でも自然にできることなのでしょうか。

それは違います。自然にやっていることは自然にやめてしまうものなのです。教わらなくても歌を歌ったり踊りを踊ったりできるのと同じです。教わらなくてもボールを蹴ったり投げたりできるのと同じです。スポーツや芸術と同じで、教わってトレーニングすることによって素質を伸ばし、技術にすることができるのです。もともと人間の認知能力の中にピクチャリングの素質はあります。しかし放っておいたらそれは「やったり、やらなかったり」で終わってしまうのです。

ピクチャリングを技術として習得し、実際の場面で活用すると、驚くような変化を体験します。

まず、相手の話を本当に注意深く正確に聞くようになります。聞けていないときは自動的に質問が浮かびます。

ひとの話を正確に聞くと、それだけで格段に理解が向上します。それまで話を聞いているつもりでいて、実際には正確に聞いていなかったことに気がつきます。

話し相手もそのことに気づきます。本当に理解している人、理解しようとしている人との間には自然に信頼関係が生まれます。

ピクチャリングは単なる表面的な理解に終わりません。長い時間や広い空間の中で具体的に何が起こっているのかを、客観的・構造的に聞き取ることにつながります。

私自身が20年ほど前にピクチャリングを習い、実際に使い始めてからの変化を体験しています。

ピクチャリングを習う前に、さまざまなトレーニングや実務経験で身につけたものがありました。それはアクティブリスニング(傾聴)やインタビュー(取材)などという形式で実践していたものです。また、日英の同時通訳(話者が話し始めると同時に通訳を始め、話し終わると同時に通訳を終える通訳の方法)や逐次通訳(話者と通訳者が代わる代わる話していく通訳の方法)についても専門のトレーニングを受けて実際に行っていました。

傾聴力や取材力や通訳技術はもちろん役に立つスキルです。しかしピクチャリングによってそのスキルは格段に上がります。耳から入ってくる言葉の情報を瞬時に映像化していくので、理解度・記憶度合が高まり、不要なメモをとらなくなります。リアルタイムで正確に理解していくので、対話の深さも変わります。そして複雑な話を長時間していても脳の疲労がなくなり、思考の持久力が高まります。

ピクチャリング速習講座では、過去のコースの教授内容を踏襲しながら短い時間で効率的に学習効果を上げていくことを狙います。1回70分のクラスを3ヶ月にわたってzoomで提供し、クラスとクラスの間のアサインメントを通じてピクチャリング技術の日常化を図ります。

このクラスはビギナーとベテラン向けです。初心者の人は一からピクチャリングを学んで習得するチャンスを得られます。ベテラン、つまり過去にピクチャリングを学び、ある程度理解して実践している人は、自分の技術を棚卸しして磨き直すチャンスを得られます。

zoomによる実習スタイルで開催されるので、必ずビデオとマイクをオンにして積極的に参加できるように用意しておいてください。少人数クラスで、いつでもなんでも質問し、実際にその場で回答を得ることができます。